日本へ留学を希望するインドネシア人学生に、学校を決めるための大事な条件などについてインタビューした第2弾です。今回インタビューした学生は、現在インドネシアの理工大学で生物学を学んでいて、日本の大学院への留学を強く希望している21歳の男性です。
彼が、日本の留学先の学校を選らぶにあたってどんなことをしているのか? 日本へ留学する事への不安、さらには日本の留学を終えた後(卒業後)の進路希望などについても話していただきました。
今回のインタビューもインドネシアから優秀な留学生を受け入れたいと思っている学校関係者にとって、非常に有益な情報になるかと思います。
日本へ留学希望のインドネシア人:リフキ(Muhammad Rifki Widyaatmaja)さんへのインタビュー
インドネシアの大学に在学中で、日本の大学院への留学を希望するインドネシア人のリフキさんに、日本の学校を決める大事な条件などについてインタビューしました。
リフキさんの基本情報
名前:ムハマッド リフキ ウィダアトマジャ(Muhammad Rifki Widyaatmaja)
性別:男性
年齢:21歳
大学名:国立スプル・ノーペンバー工科大学(スラバヤ);Institut Teknologi Sepuluh Nopember(Surabaya)
(2020年インドネシア大学ランキング18位)
学科:理学部生物学科(学部2年生)
出身:西ジャワ州 デポック
【質問1】どうして日本に留学したいのですか?
現在インドネシアの大学で生物学を学んでいますが、断言できるのはインドネシアの大学より日本の大学で得られる知識や研究のほうが確実に優れています。学術的なレベルや技術はより先端的で、より確実性が高くパーフェクトだからです。さらに、日本で学んだのちに国際的に活躍している人物をたくさん輩出しています。
そして、日本に留学することによって日本の言葉や文化も学べますし、日本にいる友人も新しくできるでしょう。私が他の人から聞いたり調べたりした感覚では、日本人の教授や学生は非常にフレンドリーですし、安全で清潔な環境で勉強に集中できると感じています。
【質問2】いつごろ日本への留学を考えていますか?
日本への留学の時期については、希望する条件が揃ってきて、日本の大学院で学ぶための奨学金が決まれば留学したいと考えています。現在のところ2022年を目標に日本留学を果たしたいと思っています。
【質問3】これまで日本に行ったことはありますか?
私自身としてはまだ日本に行ったことはありませんが、何人かの友達や家族は日本に行ったことがあります。いつもその友人たちから日本の話を聞くたびに、私も日本に行きたいという感情が湧き出てきます。もし、日本に行くチャンスやインターンシップのプログラムがあれば、積極的に参加したいとも考えています。
【質問4】日本の学校を決める大事な条件は何ですか?
まず始めに、日本の大学に入学するために日本語を学ぶ必要があります。ですから日本で日本語学校に通って日本語をマスターしなければなりません。
2番目はお金の問題で、奨学金制度を持っている学校を探さなくてはいけません。両親に負担をかけすぎるのは気が引けますからね。
3番目は日本で学ぶ内容です。具体的に興味がある学科としては、ビジネスや経営です。現在生物学を学んでいますが、やはりインドネシアに帰ってからのことを考えると、ビジネスや経営が大事なことだと考えています。理想としては、生物学と経営の両方を融合したことを学べれば最高です。
【質問5】日本への留学について何か不安に思っていることはありますか?
やはり日本語です。日本語をマスターすることは、私にとって非常に難しいと思っています。
2つ目としては、日本での生活スタイルです。住居や通学手段、食事、モスクなどがあるかどうかということです。また、食費や生活費もインドネシアと比較して物価が高いことも含まれます。
3つ目は、日本における学校のシステムです。具体的にはカリキュラムや授業のスタイルがまだよく分かりません。インドネシアの授業とは違うかとは思いますが、どのような内容か? その雰囲気はどうなのか? など細かいことが分かりません。もっと具体的に調べて、自分の学びたいこととマッチしているかを知りたいと思っています。もし可能であれば、希望する大学のインターンシップやオープンキャンパスなどに参加したいと思っています。
【質問6】日本語を学んだことはありますか?
はい、あります。高校生の時に日本語のクラスを選択していました。ただし、まだ日本語能力試験(JLPT)は受けていません。まずは、インドネシアの日本語学校で学び、次に日本の日本語学校でしっかりと日本語をマスターした後に、日本の大学に行きたいと考えています。
【質問7】日本語学校や大学は決めていますか?
インドネシアでの日本語学校は、NEXS Japanese Center(スラバヤ)で、日本では名古屋国際学院に行こうと思っています。日本の大学としては、名古屋商科大学、京都大学、東京工業大学の3つのどれかです。また、日本での住居は寮やドミトリーを選ぼうと思っています。
【質問8】どうやってその学校を選んだのですか?
最初はインドネシアの教授の中で、日本で学んだことのある教授とディスカッションしました。やはり日本に行き、学んだことがある教授の情報は正確だと思いますし、信頼できると考えています。その教授から私の希望に沿った大学や学部・学科を推薦してもらいました。その後は自分自身で検索してその学校の情報を調べました。
【質問9】他の大学や学校については調べましたか?
今まではまだ調べていません。多分グーグルで検索して調べるかと思います。また、日本にいる友人などに聞くかもしれません。その他の方法はないと思っています。
【質問10】どのような奨学金が欲しいですか?
できれば、三井物産インドネシアの奨学金のように日本語学校から大学を卒業するまでのすべてがカバーできる奨学金がいいかと思っています。または、文部科学省の奨学金です。もし、フルカバーの奨学金がもらえなかった場合には、学費分ぐらいの奨学金が欲しいと感じています。
さらに、日本の大学に入学するための資金はインドネシアで前もって集めておいて、日本にいる間はパートタイム(アルバイト)で生活費を得たいとも思っています。両親は日本への留学に非常に協力的ですが、私としては両親にはあまり負担をかけたくないですから。
【質問11】日本へ留学についてご両親からはどんなことを言われましたか?
私の両親とは日本への留学についてじっくり話しました。両親は私が大学院に進むための支援をしてくれると言ってくれましたし、奨学金を得るための協力もしてくれると約束してくれました。
私が日本への留学をする資金は十分にあるかと思いますが、妹がまだ高校生なので、これから学費などがいろいろとかかるかもしれないので少し心配です。
資金のこともそうですが、妹が進学するのか働くのかということも含めて、両親や妹と離れて暮らすことになるのでコミュニケーションが不足するかもしれません。やはり日本とインドネシアで離れて暮らすことになるので家族のことが心配です。
【質問12】日本の大学を卒業したら日本で働きたいですか?
経験を積むためにも一度は日本で働きたいと思っています。希望する分野としては2つあって、1つはマイクロバイオロジー(微生物学)で、もう一つはコンサルタントやマネージメント関係です。生物学の中でも微生物に興味がありますしインドネシアに戻った時のことを考えてみるとコンサルタントの分野も捨てがたいです。
【質問13】日本への留学について誰か相談できる人はいますか?
はい、先ほどの教授の他にも数人の教授に相談しています。その教授は日本で修士や博士号を取得していますから、本当に頼りになります。
【質問14】あなたの夢や理想を教えてください
まずは日本の大学院に留学をして、修士または博士号を取得したいです。そして、科学分野や経営分野でのビジネスを始めて、フルタイムでそのビジネスに没頭して大きくしたいと思っています。そして、インドネシアで結婚し、家族をもって家族とともに幸せに暮らしたいという夢を持っています。
【島田】すばらしい夢ですね。夢が叶うようにお祈りいたします。
ありがとうございます。
まとめ
日本に留学を希望するインドネシア人学生に対して、学校を決めるための大事な条件などについてのインタビューの第2弾でした。
インドネシアの大学に在籍するリフキさんは、現在生物学を学んでいて、日本の大学院に進学したいと考えています。学校を決める大事な条件としては、日本語、奨学金、学ぶ内容と3つを挙げています。
そしてリフキさんは、今後のことを考えると生物学以外にもマネージメント分野の学習もしたいという希望を持っています。さらには、日本留学への資金は十分にあるものの、両親にはあまり負担をかけたくないという気持ちから、奨学金を得ようとしています。
インドネシアからの留学生を受け入れる日本の学校としては、日本語学習や奨学金だけでなく「学ぶ内容」をしっかり伝えることが大事なポイントになるかと思います。
以上、日本へ留学希望のインドネシア人インタビュー2【工科大学3年生】として、インドネシアの工科大学に在学中のリフキさんのインタビューをお伝えしました。