日本へ留学を予定しているインドネシア人の学生に、日本への留学を決めた理由などについてインタビューをした第10弾です。今回インタビューした男性は、ジャカルタ市にある成績優秀かつ富裕層の子供が多く通うインドネシア高校ランキング6位のパホア高校(Sekolah Terpadu Pahoa)の卒業生です。
彼は、2019年にパホア高校を卒業し、現在日本語学校への留学に向けて準備中ですが、このパホア高校で昨年9月まで学んでいた彼が、日本へ留学する理由や日本語学校を選ぶポイント、彼の将来の夢などについて話してもらいました。
今回のインタビューもインドネシアから優秀な学生を受け入れたいと思っている学校関係者にとって、留学生獲得の大きなヒントになると思います。
日本へ留学準備中のインドネシア人:高校卒業生ステファンさんのインタビュー
ステファンさんの基本情報
名前:ステファン・ヨン(Stephen Yong)
宗教:キリスト教
卒業高校:パホア高校(Sekolah Terpadu Pahoa)
年齢:19歳
出身:ジャカルタ
【質問1】日本へ留学をする理由は何ですか?
私が日本に留学する理由の一つ目は、「ズバリ日本に行きたい」からです。私は小さい頃から日本に憧れていて、いつか行きたいと思っていましたが、まだ一度も日本には行ったことはありません。日本に行って、日本で暮らすという感覚はどんなものなのかを体全体で感じたいと思います。もちろん、日本では勉強しなければなりませんが、日本語はかっこいいと思っていますし、日本の素晴らしい自然も大好きです。
二つめの理由は、日本で日本語を学ぶことが日本語習得には一番の近道だと思うからです。インドネシアで日本語を勉強するよりも効率的で、より多くの日本語を使いながら、たくさん日本語を話さなければならない機会を得られると思うからです。インドネシアにいるときと違い、周りの人が日本語を話しているので、否応なしに日本語を使わなければならないということは、日本語を話す能力をいち早く上げられ、流暢に話せるようになると思うからです。
三つめの理由は、日本でのライフスタイルになじんで、それを人生の糧にしたいからです。小さい頃から日本のアニメや映画のビデオをたくさん観てきた私は、その中で繰り広げられる生活スタイルや話される言葉、自然などにすごく興味があり、素晴らしいと感じていました。インドネシア人から見ると、日本には取り入れたいことがたくさんあります。ですから、自分が日本という国での生活を通して良いライフスタイルを学び、自分の将来や周りの人の生活に活かしていきたいのです。
【質問2】パホア高校で日本留学を希望している人は他にいますか?
私が知っているパホア高校の同級生で、2人が日本留学を希望しています。一人はインターナショナルの分野で、英語で直接大学に入学する予定です。もう一人は、学校内の日本語コンテストで優勝して、おそらく日本語で試験を受けて大学に入学するかと思います。彼は科学分野でもすごく優秀です。
【質問3】留学予定の学校はどんな分野ですか?
私の留学予定の学校は、まずは日本語学校です。日本の映画やビデオなどで話されている日本語は本当にかっこいいと思いますし、大学や専門学校に進学するには日本語が必要だからです。インドネシアでは日本語の塾に通っていて、日本語能力試験でN5を取得しました。
【質問4】日本語学校は決まっていますか?
はい、留学希望の日本語学校は決まっています。東川町立東川日本語学校です。
【質問5】東川日本語学校に決めたポイントは何ですか?
私が東川町立日本語学校に決めたポイントは3つあります。
一つめは、学費免除があるからです。学費の50%が東川町奨学金で負担してくれますので、学費を安くすることができるからです。さらに寮費も半分奨学金がでますので、かなり安い費用で日本語が学べますから。それに入学条件が厳しくなく、N5レベルであれば入学することができます。また、それぞれのレベルによってクラス分けがあって、無理なく学べるからです。
二つめは、学校の所在地が都会でないことです。北海道という大自然の中に学校があり、自然が好きな私にとって好都合だからです。それに、東京のような大都会よりも地方の方が外国人が少なくて、より日本的ですし、都会の誘惑や犯罪などに巻き込まれることがないので両親の心配も減りますから。さらに、食べ物も美味しいと聞いています。
三つめは、学校の信頼性です。東川町という自治体が運営しているので信頼できますし、インドネシア人で優秀な卒業生もたくさんいますので、きちんと、そして効率よく日本語が学べるからです。
【質問6】日本語学校はどのようにして探しましたか?
日本語学校を探した方法ですが、まずジャカルタの日本学生支援機構の事務所に行きました。その時、担当の方からJAPAN STUDY PASS協会のフィトリアさんを紹介してもらい、アドバイスをもらいました。フィトリアさんからは日本留学についての情報や、日本語学校のプログラムなどの多くの最新情報を随時もらっていました。
その後、ジャカルタで開催された日本学生支援機構の日本留学フェアに両親とともに参加して、多くの日本語学校を比較しました。結果、学費が一番安く、優秀な卒業生の多い東川日本語学校に決めました。偶然にも学校の場所が北海道という地方で、私と両親の意向とぴったり合っていました。現在はフィトリアさんを通じて、入学書類を申請しています。
【質問7】日本語学校を卒業したら大学に進学しますか?
日本語学校を卒業したら、大学に進学したいと思っています。具体的にはまだはっきりと決まっていませんが、日本で日本語を勉強している間に決めたいと思っています。
【質問8】どんな分野の大学を希望していますか?
学びたい分野としては、絵画に関係する分野の大学を希望しています。しかし、まだ悩んでいて、詳しいところまではっきりはしていません。
絵画の中でも伝統的なものが好きなのですが、将来のことを考えるとデジタルのアートになるかもしれません。私は、伝統的なものであれ、近代的なものであれ、どの分野でも日本のアートは素晴らしいと感じています。日本に1年間日本語を勉強している間に、もっと日本のアートを見たり、体験したりして雰囲気を感じ取り、それから学びたい大学や学科を決めたいと思います。もしかしたら、マンガやアニメなどの分野になるかもしれません。私は絵を描くことは好きですし、唯一の才能だと感じているからです。
【質問9】大学を卒業したら日本で働きたいと思いますか?
はい、日本で働きたいと思っています。しかし、まだ両親から許可されていません。多分、短い期間であれば日本で働くことを許してもらえるかもしれません。
父親は、電子楽器の関係の分野の仕事をしていますが、両親からはいつも、父親の仕事を継ぐように言われています。そこが悩みの種ですね。私の学びたい分野や仕事と違っていますから。おそらく時間が経てば、両親の考えが変わるかもしれません。私が日本で就職することで学んだ内容を、インドネシアに帰ってから父親のビジネスに少し応用できるかもしれません。でも、まだ先の事なので何とも言えません。
【質問10】日本留学についてご両親からのアドバイスはありましたか?
日本留学について、私の両親からはいろいろとアドバイスがありました。「まずは、しっかりと勉強するすること、努力を惜しまないこと、真面目に勉強に取り組むことです。そして、教会に行くことを忘れないようにして、友達や他人と良い関係を築きなさい」と言われました。確かにその通りですし、両親にも経済的負担をかけているので、しっかりと勉強しようと思っています。
【質問11】あなたの夢を教えてください
私の夢は、漫画家になることです。それもワンピースやNARUTOのような多くの人に知られるような漫画家になりたい。もちろん、作品はアニメ映画としても成り立つようなマンガです。漫画家になるという夢は、小さい頃からの私のモチベーションになっています。現在では、あまりアニメを見ていませんが、絵は書いています。どちらかというと私は運動も下手で、話すことも苦手です。だから、私はマンガや絵画を選びました。多く人に私のマンガで楽しんでもらい、モラルなどのメッセージを伝えたいという気持ちはずっと持ち続けています。
もう一つの夢としては、日本で結婚して家族をもつことです。しかし、この夢は難しいかと思います。それは、私の家族は全員インドネシアにいますし、頻繁に家族が集まって何か行動をすることが多いからです。
【島田】ありがとうございます。あなたの夢が実現できるように祈っています。
まとめ
日本への留学を準備しているインドネシア人のステファンさんに、日本留学を決めた理由などについてインタビューをしました。
インドネシアのジャカルタにある高校ランキング6位のパホア高校を卒業したステファンさんは、北海道の東川町立日本語学校への入学手続きを進めていて、日本語学校卒業後は絵画に関係する大学への進学を希望しています。しかし、まだ両親や自分自身がやりたいことなどの間で悩んでいるようです。
日本の留学先として東川町立日本語学校に決めた理由は、学費免除、場所、学校の信頼性の3つを挙げています。その中でも、学費の負担は50%で、寮費も半分で済む奨学金プログラムへの参加できたことが最重要ポイントになっています。
インドネシアからの留学生を受け入れる学校側として、地方自治体などの支援により、留学生の学費負担を軽減するプログラムを作成し募集していたことが日本語学校決定の大きな要因になるかと思います。また、留学希望者に随時情報を送ったりするなどのきめ細かい対応がポイントになっています。
以上、「日本へ留学希望のインドネシア人インタビュー10【留学準備中の高校卒業生】」として、インドネシアの優秀な高校を卒業したステファンさんのインタビューでした。