日本へ留学を予定しているインドネシア人に、日本への留学を決めた理由などについてインタビューをした第6弾です。今回インタビューしたインドネシア人は、前回のイスラム教徒のアフィフさんやプトゥリさんとは違い、キリスト教系の高校の卒業生で、現在日本への留学準備中の19歳の若者です。
(※これは、2020年4月にインタビューされたものです)
→ 日本留学希望のアフィフさん(職業高校2年生)インタビュー
→ 日本留学希望のプトゥリさん(職業高校2年生)インタビュー
今回の彼女が卒業した高校は、インドネシアの私立のキリスト教学校で、その教育システムにはケンブリッジインターナショナルプログラムを採用していて、毎年70名の卒業生の中から約6人の学生がインドネシアを出て海外留学をしています。この高校に通っていた彼女が、日本の留学先の日本語学校を決めた理由や卒業後に進学したい大学、彼女の夢などについて話してもらいました。
インドネシアから優秀な学生を受け入れたいと思っている学校関係者にとって留学生獲得の大きなヒントになると思います。
日本へ留学準備中のインドネシア人:サリー(Sally)さんのインタビュー
サリーさんの基本情報
名前:サリー モニカ フェリシア シアハアン(Sally Monica Felicia Siahaan)
年齢:19歳
宗教:キリスト教
卒業高校:グローバル・プレスタシ・スクール(Global Prestasi School)
出身:西ジャワ州ブカシ県(ジャカルタ郊外)
【質問1】日本へ留学をする理由は何ですか?
私が日本への留学を決めたのは、日本語をマスターして日本の大学に入って学習したいからです。じつは私は父親の仕事の関係で、14歳から16歳までの2年間日本で暮らしていました。私が滞在した2年間は、刺激的で楽しくて、日本という国にすごく惹かれたので、もっと日本のことを知りたいと思いました。でも私にとって日本で暮らした2年間だけでは足りませんでした。
私の父はインドネシア投資調整庁(Badan Koordinasi Penanaman Modal:BKPM)の日本事務所に勤めていて、私は目黒にある「東京インドネシア共和国学校」に通っていました。私はその2年間で東京の生活には慣れましたが、その学校では日本語をしっかりと学んでいませんでした。ですので、まずは日本語を学んで、その後は日本の大学に進学するという計画を立てて、今進んでいるところです。
【質問2】日本語学校は決まっていますか?
私が入学手続きをしている日本語学校は、JET日本語学校(JET Academy)です。現在、受入内諾書(Letter of Acceptance)と入学許可書(Confirmation of Enrollment)、在留資格証明書が到着するのを待っているところです。これらの書類が来ましたら、日本留学のビザを申請をするつもりです。
【質問3】JET日本語学校に決めた理由は何ですか?
私がJET日本語学校に決めた理由は、3つあります。
一つめは、授業時間がフルタイムで組まれているからです。他の日本語学校は9時から12時までですが、JET日本語学校は、9時から午後3時までしっかりと授業があります。私は大学への進学を希望しているので、できるだけ多くの授業を受けて、早く日本語をマスターしたいからです。
二つめは、国際交流基金ジャカルタ日本文化センターの方から推薦されたからです。私は日本語学校を決める前に何度もジャカルタの国際交流基金の事務所に行って、日本の学校の情報を調べました。そして、担当の方に相談したところ、このJET日本語学校を勧めてくれました。
三つめは、日本でもインドネシアでもよく知られていて信頼できるからです。そして大学に入学するための進学クラスもあり、日本留学試験などのサポートが受けられるからです。また、この学校は、私にとって土地勘がある場所にあり、慣れている東京にあることも理由の一つです。
【質問4】大学ではどんな分野を学びたいですか?
日本の大学に進学したら、会計または財務を学びたいと思っています。それは、もともと計算が好きだからです。会計はどんな産業や仕事においても必要ですし、収入と支出があって計算をして改善したり、方向を決めなければなりません。それに会計は自分自身の生活においても役に立ちますし、就職した場合でも会計を理解していることで仕事の幅が広がるかと思っています。
【質問5】日本の大学に入るための条件や希望はありますか?
日本の大学に入るための条件は、あまりないのですが、希望する学科で学ぶことができればよいと思っています。日本は安全な国ということは分かっていますし、教育レベルも高く設備も整っていますからね。あえて希望を言えば、キリスト教の教会と図書館が近くにあるといいですね。
【質問6】進学希望の大学は決まっていますか?
進学希望の大学としては、慶應義塾大学です。学科としては商学部に行きたいと思っています。慶應義塾大学を選んだのは、私が希望する学科があることと、日本でもレベルの高い大学ですし、私が住み慣れている東京にあるからです。
【質問7】なぜ英語のプログラムを選ばないのですか?
私が英語のプログラムを選ばなかったのは、日本語もマスターしたいからです。日本のことをもっと知りたいので、日本語をしっかり勉強しておけば、日本人とのコミュニケーションも不安なくできますから。英語のプログラムだと、どうしても英語に頼ってしまいそうだからです。
【質問8】奨学金の申請はしますか?
奨学金は欲しいので必ず申請します。それは、両親に負担をかけたくないからです。やはり日本への留学にはお金がかかりますから、少しでも両親の負担を減らしたいと思っています。
【質問9】ご両親から日本留学についてアドバイスはありましたか?
私の両親から日本留学についてのアドバイスはたくさんありました。まずは本当にしっかりと勉強すること、やる気を持って勉強を続けること、不平不満などの愚痴を言わないこと、すべての言動において責任を持つこと、先延ばしにしないですぐやること、そしていつも祈り捧げること、と言われました。たくさんのアドバイスをもらいましたが、私の日本留学を支援してくれて、両親には本当に感謝しています。
【質問10】大学を卒業したら日本で働きたいですか?
はい、大学を卒業したら日本で働きたいです。それは私の大事な経験になりますからね。働きたい分野としては、大学で学ぼうと思う会計や財務関係を希望しています。
【質問11】夢は何ですか?
私の夢は、インドネシアで日本のようなシステムを持った学校を作りたいと思っています。私は小さい頃のしつけが大切だと感じていますので、幼稚園か小学校をイメージしています。そして、そこで日本人と一緒に働きたいと思っています。
【島田】ありがとうございました。
まとめ
日本へ留学を予定しているインドネシア人のサリーさんに、日本への留学を決めた理由などについてインタビューをしました。
インドネシアのキリスト教系の優秀な高校の卒業生サリーさんは、日本留学の第一歩として、日本語学校への入学手続きを始めています。日本の留学先として、その日本語学校を決めた理由は、フルタイムの授業であること、国際交流基金の方から推薦されたこと、そしてインドネシアでも有名で信頼できる学校の3つを挙げています。
その中でも、フルタイムの授業でしっかりと勉強し、早く日本語をマスターしたいと彼女は強く願っています。日本語学校を卒業した後には、慶應義塾大学に進学したいと思っていて、そこで会計や財務の勉強したいと希望しています。また、サリーさんは、インドネシアで子供に対する躾(しつけ)を大事にした学校を作りたいという素晴らしい夢を持っています。
インドネシアからの留学生を受け入れる日本語学校としては、インドネシア国内でも知ってもらうこと、早く日本語をマスターしたい学生のためにフルタイムでの授業プログラムを採用することが留学生獲得のキーになるかと思います。
以上、日本へ留学希望のインドネシア人インタビュー6【留学予定の高校卒業生】として、インドネシアの優秀な高校を卒業したサリーさんのインタビューでした。