日本へ留学を希望するインドネシア人学生に、日本への留学で重要なことなどについてインタビューをした第４弾です。インタビュー第３弾でご紹介した大学生のハエカルさんとは違い、今回インタビューした学生は、インドネシアの職業高校で情報通信を学んでいる１６歳の高校生です。彼もまた日本への留学を強く希望しています。
→日本へ留学希望のインドネシア人インタビュー３【ガジャ・マダ大学学生】
インドネシアの職業高校は、普通高校より規律が厳しく、カリキュラムも多く、卒業後も大学進学や海外の大学に留学する学生が数多くいるのが特徴です。このように日本の職業高校とは意味合いが違うインドネシアの職業高校に通っている彼が、日本への留学を希望している理由や日本の留学の重要なこと、さらには希望する学科や夢などについて話してもらいました。
インドネシアから優秀な学生を受け入れたいと思っている学校関係者にとって留学生獲得の大きな手掛かりになると思います。
日本へ留学希望のインドネシア人：アフィフ(Afif)さんさんへのインタビュー
インドネシアの職業高校に在学中で、日本への留学を希望するインドネシア人のアフィフさんに、日本への留学を希望する理由や日本留学で重要なことなどについてインタビューしました。
アフィフさんの基本情報
名前：アフィフ ラマダン（Afif Ramadhan)
年齢：１６歳（高校２年生）
高校・学科：国立第１職業高等学校コタバル、情報通信学科マルチメディア
出身：ダルマスラヤ（西スマトラ島）
【質問１】日本へ留学を希望する理由は何ですか？
私が日本へ留学を希望しているのは、日本からしか得られない学ぶべき事が多いからです。私は小さな頃からテレビやインターネットなどのメディアを通して、日本に興味を持っていました。インドネシアには、バイクや車以外にも日本製品がたくさんあります。日本の製品以外にも日本から学ぶべきことがたくさんあります。例えば、モラルやエチケット、勉強に対する姿勢もそうですし、映画やアニメや音楽などはインドネシアでもとても人気です。今のインドネシア人にはこのようなことがほとんどないです。
日本に行ったことのある私たちの先生は、いつも日本で見たことや、日本で感じた興味深い話をしてくれます。例えば、日本のどんなところに行ってもゴミは落ちていないし、電車も時間通りに運行されていると話してくれました。
ですから、私は日本に行って勉強することで、私の人生経験として、実際に日本のすばらしさを体験したいと思っています。そして、インドネシアに帰国した際には、自分の身近な人や周囲の社会のために、日本留学の経験を生かして祖国インドネシアをより良い社会に変えていきたいと本当に心の底から思っています。
【質問２】日本留学でどんな分野を学びたいですか？
私はまず日本語を学びたいと思っています。もともと外国語に興味があります。小学校の頃だと思いますが、私の才能というか好きなことは、「言葉」や「話すこと」だと気が付いたのです。それで、中学校１年の時に、全国科学オリンピックのダルマスラヤ州予選大会のパブリックスピーキング部門に参加しました。入賞はできませんでしたが、やはり自分のやりたいことは「話すこと」だとこのときはっきり認識しました。そこで、日本語に非常に興味を惹かれて日本語をマスターしたいと思い、日本で日本語を学びたいと強く思うようになりました。
【質問３】日本留学で重要なことは何ですか？
日本留学で重要なことは、ハラル食品、施設と教育プログラム、日本文化の三つがあります。
一番目はハラル食品ですが、ハラル食品を買えたり、ハラルレストランが学生食堂にあったり近くにあるといいなと思っています。日本ではなかなかハラルの食べ物が手に入りにくいと聞いていますからね。先生からも、日本のスーパーにはほとんどハラル食品がないと聞いています。イスラム教徒にとってのハラルは守らなければならないことの一つです。できれは、モスクやお祈りの場所があるとさらにいいです。
二番目は施設や教育プログラムです。日本語を学ぶときに、学習に集中できる施設や環境があることです。今、私が住んでいるところは田舎なので、できれば静かな環境が良いです。また、日本語の本やビデオなどが見れる施設があれば最高です。教育プログラムとしては、私のスキルや学びたいことを理解してくれて、的確なアドバイスをもらえればうれしいです。
三番目は日本文化です。日本の文化をもっと知りたいので、学校内の授業だけでなく、地域イベントや日本独特の文化も体験できるようなプログラムがあるといいですね。そして、日本の映画をたくさん見たいですし、もしできればアニメの舞台となった場所や京都の撮影所などにも行ってみたいです。
【質問４】留学希望の学校は決まっていますか？
留学希望の学校としてまだはっきりとは決めていませんが、候補としては日本語学校は早稲田学院日本語学校で、その後に行きたい学校としては日本工学院専門学校です。この学校の系列の日本語学科で日本語を学んでも良いかとも思っています。
日本工学院専門学校がいいと思う理由は、自分の才能と学びたいことにピッタリだからです。この学科はクリエイティブで、専門的で、すぐに仕事に生かせそうだと思えます。その学習内容はインドネシアの大学院レベルに匹敵するかとも思います。インドネシアにはこのような実践的な学校はありません。しかし、日本にはアニメや演出技術、声優などの学校がたくさんあるので、これからもっと調べてみたいと思っています。
【質問６】学部は何を希望していますか？
日本工学院専門学校の学部ではアニメーション科を希望しています。アニメーション科の中でも興味があるのが、ディレクターと声優の分野です。新海誠監督や山田尚子監督のアニメーションは非常に素晴らしいですね。アニメ作品を作ってみたいし、日本語のアニメ作品にインドネシア語で吹き替えする声優にも挑戦してみたいからです。
【質問７】日本の学校の情報はどこから得たのですか？
学校の情報はすべてインターネットから調べました。その時、日本の文部科学省や三井物産インドネシアの奨学金プログラムがあることがわかりました。そして、いくつかの学校の名前を知ってそこから検索してさらに調べました。
【質問８】日本語能力試験を受けたことはありますか？
日本語能力試験はまだ受けていませんが、今年の１１月に日本語能力試験のＮ４レベルを受ける予定です。そのため、学校の日本語クラスを受けていますし、家に帰ってからも日本語の勉強をしています。でも、やはり日本語は難しいです。
【質問９】日本の学校を卒業したら日本で働きたいと思いますか？
はい、日本の学校を卒業したら日本で働きたいと思っています。日本で働くという経験は本当に自分の人生の中で大きなインパクトがあると思っています。もし、日本で働くことが叶わないとしても、インドネシアで日本の会社で働きたいと考えています。
【質問１０】アフィフさんの夢を教えてください
私の夢は日本とインドネシアの架け橋となりたいということです。具体的な夢としては２つあって、一つは通訳者や翻訳者になって、インドネシアと日本と良い関係を作りたいです。もう一つは、映画やアニメなどの吹き替え声優になって、私が吹き替えした日本の作品をインドネシアに広めたいです。やはり、私は話すことが好きですし、その才能をもっと伸ばしたいと思うからです。そして、インドネシアに戻った時には、日本語や日本のことを多くの人に教えたいと思います。
【島田】素晴らしい夢ですね。あなの夢が叶うように祈りいたします。ありがとうございます。
まとめ
日本へ留学を希望するインドネシア人学生の日本留学で重要なことについてのインタビュー第４弾でした。
インドネシアの職業高校で情報通信を学んでいるアフィフさんは、日本への留学を強く希望している１６歳の学生ですが非常にしっかりしていて、彼の日本留学で重要なこととは、ハラル食品、施設と教育プログラム、日本文化の三つを挙げています。その中でもアフィフさんは敬虔なイスラム教徒なので、ハラル食品が簡単に手に入るかということが最も重要だと考えています。
そして、アフィフさんは自分の才能は「話すこと」で、日本留学で日本語をしっかりと学び、通訳・翻訳者またはアニメの吹き替え声優になって、日本とインドネシアの架け橋になりたいという素晴らしい夢を持っています。
インドネシアからの留学生を受け入れる日本の学校としては、ハラル食品を用意しておいたり、彼のような才能にマッチした学習プログラムをしっかりと提示することが大事なポイントになるかと思います。
以上、「日本へ留学希望のインドネシア人インタビュー４【職業高校2年生】」として、インドネシアの職業高校に通っているアフィフさんという学生のインタビューをお伝えしました。
