日本へ留学を希望するインドネシア人学生に、日本への留学で重要なことなどについてインタビューした第５弾です。前回のインドネシア人インタビュー４でご紹介したアフィフさんに引き続き、インドネシアの職業高校に通っている敬虔なイスラム教徒で、日本留学を強く希望している１７歳の高校生です。彼女は、インドネシアの西スマトラの職業高校で農産物加工を専攻しており、さらに日本に留学して農産物加工を深く学びたいと希望しています。
さらに、日本への留学を希望している理由や日本へ留学する際に重要なこと、さらには彼女の夢などについても語ってもらいました。
→日本へ留学希望のアフィフさんのインタビュー（職業高校2年生）
このインタビューもインドネシアから優秀な学生を受け入れたいと思っている学校関係者にとって、留学生獲得の大きなヒントになると思います。
日本へ留学希望のインドネシア人：プトゥリ（Putri Setiana)さんのインタビュー
プトゥリさんの基本情報
名前：プトゥリ セプティアナ（Putri Septiana)
年齢：１７歳
学校名：国立第一職業高校 コタバル(西スマトラ州）：SMK Negeri 1 Kotabaru(Sumatra Barat)
出身：北ランプン県（スマトラ島）
【質問１】日本への留学を希望する理由は何ですか？
日本へ留学を希望する理由としては、教育レベルが高く、学費が安いこと、そして人がフレンドリーな国の三つの理由があります。
第一は、日本の教育レベルは世界でも認められていて、ＱＳアジア大学ランキングの上位にたくさんの大学が入っていますし、ノーベル賞受賞者がアジアの中で最も多く、日本の教育の質の高いことが証明されています。それに、私にとって農産物やその加工技術は日本が世界で一番だと感じているからです。
第二は、比較的学費が安いということです。アメリカやオーストラリア、フランスへの留学と比べて、日本の大学や専門学校の学費は、半分から３分の２程度です。それに、奨学金プログラムもたくさんありますし、ある程度はアルバイトもできます。つまり、日本留学の費用を安くするための方法がたくさんあるからです。
第三は、日本人はフレンドリーです。私はまだ日本人と直接話したことはありませんが、先生から日本での規律の正しさや日本人の素晴らしい人柄についての話を聞いています。日本人はイスラム教徒や肌の色などの違いで差別することなく、ものすごくフレンドリーで正直だそうです。また、日本は安全で清潔な国と聞いていますので、私は日本に留学して体験したいと思っています。
【質問２】日本留学で学びたいことは何ですか？
私が日本留学で学びたいことは、農産物の加工です。学科としては農学部の食品加工科です。今も職業高校で農産物や食品加工について学んでいますが、日本でさらにその知識と応用力を身につけたいと思っています。
インドネシアでは、まだ食品加工の知識も技術も遅れています。多くの食品は油で揚げたもので、コレステロールが高く、体にとって良くありません。また、多くのインドネシア人は食品加工の方法をあまり知りませんし、保存方法も確立されていません。なので、日本留学で最新の農産物の加工や保存方法などの知識と技術を学び、インドネシアに伝えたいのです。
【質問３】日本の大学の情報はどこから得たのですか？
日本の大学の情報は、すべてインターネットからです。私の地域は大きな街ではないので、本屋さんにもあまり多くの種類の本がありません。また、学校の図書館にも留学に関する最新情報はほとんどありません。ですから、インターネットで調べるしか方法がありません。
【質問４】日本留学で重要なことは何ですか？
私が日本留学で重要なこととしては、食べ物、学習環境、日本語習得の３つがあります。
まず、一番重要なことは食べ物についてです。日本でイスラム教の戒律に従ったハラル認証された食品が欲しいと思っています。先生から、日本のスーパーマーケットにはハラル食品がほとんど置いていないと聞いていますので、大学の売店で買えるなど簡単に手に入る場所やハラル・レストランがあるといいですね。毎日の食事のことですし、イスラム教徒として必ず守らなければならない事ですから。
学習環境には学校の施設と生活環境の二つがあります。学校の施設としては、実際に農業生産や食品加工ができるような環境が欲しいです。例えば、農作物を作れる畑やグリーンハウス、食品を加工できる十分なキッチンや設備があるといいです。生活環境としては、寮があるといいですね。比較的安く済みますし、友達もできやすいと思います。
日本語習得については、まだ勉強を始めたばかりですので、これからしっかり勉強をしてきたいと思っています。ただ、近所には日本語学校がないので、学校の課外授業を受けて日本語を学んでいます。まずは、日本の日本語学校に通う必要があるかと思っています。やはり、インドネシア国内だけの勉強では上達は難しいと感じています。
【質問５】ご両親には日本留学希望を伝えましたか？
はい。両親には日本留学の希望を伝えてじっくり話し合いました。両親はすごく喜んでくれました。実は私の姉が今年、大学のインターンシップとして日本に行く予定です。ですから、私も日本に行って勉強したいという思いが一層強くなりました。両親には、経済的な負担をかけてしまうので、しっかりと勉強したいと思っています。そして、奨学金のプログラムも申請して、少しでも両親の負担を減らしたいと考えています。
【質問６】日本の学校を卒業したら日本で働きたいと思いますか？
はい、日本で働きたいと思っています。しかし、ずっとではなく３年から４年ぐらいかと思っています。それは、やはり両親のそばにいたいからです。イスラム教の教えでは、両親を大切にすることが非常に大事だからです。そして、日本で学んで働いたという経験は、私の人生の中での最大の出来事になるかと思っています。
【質問７】プトゥリさんの夢を教えてください
私の夢は、両親も含めて周りの人を幸せにしたいということです。具体的には３つあります。
一つ目は、私が日本で学び、働くことで家族を幸せにしたい。経済的なこともありますが、インドネシアに戻った時には、私が学んだ食品加工の技術を教えたり、美味しいものを作ってあげたりなどをして、両親の喜ぶ顔を見たいと思っています。
二つ目は、日本で学んだ知識と技術を周囲の人に教えてあげて、周りの人も「食」に関することで幸せにしてあげたい。農業を営んでいる人や食品加工、料理に関係する人に教えたいと思っています。そうすることで、周りの人を幸せにしたい。
三つ目は、経済的に貧しくて教育が続けられない人の援助をしたいと思います。まだはっきりしていませんが、日本語の塾や料理教室のようなことをイメージしています。塾や教室に来てもらって技術を身につけたりです。そうすることができれば、子供たちにはしっかりと学校で教育を続けられて、幸せになると思います。それは、私の親友が経済的理由で学校に来れなくなった経験があるからです。
【島田】素晴らしい夢ですね。プトゥリさんの夢が叶うようにお祈りしています。
ありがとうございます。神のご加護がありますようにお祈りします。
まとめ
日本へ留学を希望するインドネシア人学生に対して、日本留学で重要な事についてのインタビュー第５弾でした。
今回インタビューしたプトゥリさんは、インドネシアの職業高校で農産物加工を学んでいて、日本への留学を強く希望しています。日本留学で重要なことは、日本語習得、学習環境、食べ物の３つを挙げています。その中でもプトゥリさんは敬虔なイスラム教徒なので、ハラル認証の食べ物が手に入れやすいか、ということが最も重要だと考えています。
そしてプトゥリさんは、自分自身が得た知識や技術を、両親や周りの人に教えたり、経済的に貧しい人に対して援助の手を差し伸べることで幸せにしたい、という素晴らしい夢を持っています。
インドネシアからの留学生を受け入れる日本の学校としては、ハラル認証の食品が手に入りやすい仕組みやハラルレストランなどの情報を提示して、確認できるようにしておくことが重要なポイントとなるかと思います。
以上、日本へ留学希望のインドネシア人インタビュー５【職業高校２年生】として、インドネシアの職業高校に通っているプトゥリさんのインタビューをお伝えしました。
