日本へ留学を予定しているインドネシア人に、日本への留学を決めた理由などについてインタビューをした第7弾です。前回はキリスト教の高校を卒業し、日本への留学を準備しているサリーさんという方ににインタビューしましたが、今回はインドネシアの大学で情報技術科を卒業し、現在日本への留学を準備中の26歳の男性です。
(※これは、2020年4月にインタビューしたものです)
→日本留学予定のサリーさん(キリスト教高校卒業生)インタビュー
今回の彼が卒業した大学は、インドネシアのバンドンにある国立イスラム教大学で、生徒数18,139のマンモス学校です。この大学で昨年9月まで学んでいた彼が、日本への留学、そして日本語学校を決めた理由や進学したい大学、彼のビジョンなどについて話してもらいました。
→日本語学科や日本語プログラムがあるインドネシア大学トップ34校
インドネシアから優秀な学生を受け入れたいと思っている学校関係者にとって、留学生獲得の大きなポイントになると思います。
日本へ留学準備中のインドネシア人:大学卒業生リズキさんのインタビュー
リズキさんの基本情報
名前:リズキ アルリジャル ムタキン(Rizqy Arrijal Mutakin )
年齢:26歳
宗教:イスラム教
卒業大学:スナングヌンジャティ国立イスラム大学バンドン(Universitas Islam Negeri Sunan Gunung Djati Bandung: UIN SGD)
(2020年インドネシア大学ランキング:56位)
学科:科学技術学部情報技術学科
出身:ガルット県(バンドン郊外)
【質問1】日本へ留学をする理由は何ですか?
私が日本へ留学する理由は、日本の大学または大学院に進学したいからです。その前に日本語学校に行って日本語を勉強する必要がありますし、日本語を流暢に話せることで将来仕事の可能性が広がるからです。さらに、日本の学費はアメリカやシンガポールと比較して、安いことも理由の一つです。
【質問2】進学希望の大学はどんな分野ですか?
進学希望の大学の学科としては、コンピュータ関連のグラフィックデザインの分野です。インドネシアの大学に在学中、情報技術を学んだので、日本の大学でさらに情報技術について深く学びたいと思っています。特に、グラフィックデザインを用いた範囲の広い知識を学べる学科を希望しています。
具体的には、「視覚的アイデンティティ・グラフィックデザイン」と言って、企業や公的機関の公表や工業製品などを伝えるコミュニケーションのシステムになります。これは、私が最も得意で好きな分野です。さらに、私はアニメが好きなのですが、日本のアニメはデジタル化されているグラフィックデザインとしても優秀ですし、素晴らしいと感じています。
【質問3】日本語学校は決まっていますか?
いま手続きを進めている日本語学校は、吉備国際大学の留学生別科です。現在は、受入内諾書(LOA)と入学許可書(COE)、在留資格証明書が届きましたので、あとは日本大使館で留学ビザの申請をする予定です。
【質問4】吉備国際大学の留学生別科に決めた理由は何ですか?
私が吉備国際大学の留学生別科に決めた理由は3つあります。
1番目は、吉備国際大学という大学の留学生別科なので、信頼できる学校だからです。日本には、設備やカリキュラムがあまりよくない日本語学校もあるからです。それに大学の一部の学科ですから、図書館などの大学の設備が使えたり、日本の大学生とのコミュニケーションづくりもしたいと思っています。
2番目は、大学進学の支援が受けられることです。留学生別科なので、基本的に同大学の進学を前提でカリキュラムが組まれていますし、進学するための十分な支援を受けられると思うからです。さらに、すぐ近くで大学の講義が行われているので、日本語の勉強にも拍車がかかり、いち早く日本語を習得できると思っています。それに、吉備国際大学には社会科学部やアニメーション文化学部があり、グラフィックデザインを応用した幅広い知識を学べることも魅力です。
3番目は、大学見学ツアーに参加したからです。インドネシアから13人が参加して、大学担当者の方から吉備国際大学を案内してもらいました。一番私たちが必要としているハラルの学食とお祈り場所が吉備国際大学にはあり、本当嬉しかったですね。それに、参加者には奨学金の用意があることやアパートやアルバイトなどの紹介もしてくれるということでした。さらに、大学周辺を見てまわることができたので、学生生活のイメージができましたし、岡山の物価が東京と比べて安いこともわかりました。
【質問5】奨学金の申請をする予定ですか?
はい、日本で日本語の勉強を始めたら奨学金を申請しようと思います。世界の大学と比較して日本の学費が安いと言っても、インドネシア国内からみると海外留学するにはお金がかかりますから。それに日本留学するために両親には大きな負担をかけていますし、私自身にとっても勉強に集中して拍車をかけるためにも奨学金は必要だと感じています。
【質問6】ご両親から日本留学についてのアドバイスはありましたか?
私の両親から日本留学についてアドバイスはいろいろありました。勤勉に、熱心に、そしてやる気を持って勉強に取り組むことをまず言われました。さらに健康に注意すること、そして、予定どうりに卒業して、自分の進路を目的をもってしっかりと歩むこと、とアドバイスを受けました。インドネシアの大学に行かせてくれて、さらに日本への留学を許してくれた両親には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
【質問7】大学を卒業したら日本で働きたいですか?
はい、大学を卒業したら日本で働きたいと考えています。まだその分野までははっきりしていませんが、インドネシアと日本が協力関係がある会社やインドネシアに対して貢献できる会社がいいと思っています。私は、大企業だけにフォーカスはしていませんので、情報通信関係のスタートアップ企業でも構いません。
【質問8】これからのビジョンを教えてください
私のビジョンは、多くの人に貢献することです。それは、両親や友人も含めてまわりの人、学校、会社もに何かしらの貢献できるような人になることです。私の得意分野であるデザイングラフィックも、優れた商品などを社会に広めることも貢献になりますし、日本に留学後に日本で働くことができれば、私の後輩たちにも日本留学や日本での就職できるようなチャンスを広げてあげたいと思っています。
まとめ
日本へ留学を予定しているインドネシア人のリズキさんに、日本への留学を決めた理由などについてインタビューをしました。
インドネシアの国立イスラム教大学の情報技術科を卒業したリズキさんは、日本留学のスタートとして、大学の留学生別科への入学手続きを始めていて、留学生別科を終了後は日本の大学や大学院への進学を希望しています。
日本の留学先として、大学の留学生別科を決めた理由は、信頼できる学校、大学進学への支援、大学見学ツアーに参加したことの3つを挙げています。その中でも大学見学ツアーでは、授業体験やハラルの学食やお祈り場所などを見学し、奨学金の用意や生活面でのサポートも充実していた吉備国際大学を選んだそうです。
インドネシアからの留学生を受け入れる学校側として、留学希望者に大学見学ツアーを実施したり、ハラルやお祈り場所の設置、さらには直接インドネシア学生とのコミュニケーションを入学前にとっていたことが学校決定の大きな要因だったようです。
以上、「日本へ留学希望のインドネシア人インタビュー7【大学卒業生】」として、インドネシアの大学を卒業したリズキさんのインタビューでした。