インドネシア教育文化省の西ジャワ州教育局のブディ(Budi Hermawan)氏に、インドネシア学生の日本留学についてインタビューしました。ブディ氏は、インドネシア西ジャワ州の高校や大学の先生方を引率して日本を研修に訪れたことがあり、西ジャワ州の教職員の指導とインドネシア学生の日本留学に関しての情報提供などを行っています。
→ インドネシア教育文化省プラタマ氏インタビュー2【日本留学は今後増える】
→ インドネシア教育文化省ブディ氏インタビュー3【日本留学希望学生の質問】
ブカシやバンドン、ボゴールなどの大都市がある西ジャワ州には、インドネシアの中でも優秀な大学が数多くあり、日本への留学を希望する高校生や大学生が多い地域でもあります。
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インドネシア教育文化省に在籍し、その西ジャワ州教育局のブディ氏に、「日本への留学を希望するインドネシア学生が今後増える理由」や「インドネシア政府として日本留学への今後の政策」についてインタビューしました。
インドネシアから優秀な留学生をできるだけ多く受け入れたいと思っている学校関係者にとって、非常に有益な情報が得られる内容になっています。
また、西ジャワ州を含めたインドネシア全土の高等学校とその教職員を管理しているインドネシア政府教育文化省のサンティ教職員育成局長の日本留学支援についてのインタビューも掲載していますので、こちらも参考になると思います。
→ インドネシア教育文化省サンティ教職員育成局長インタビュー【日本留学支援について】
インドネシア教育文化省・西ジャワ州教育局ブディ(Budi)氏のインタビュー
インドネシア教育文化省ブディ氏の基本情報
名前:ブディ・ヘルマワン(Budi Hermawan)
学歴:オスロ大学(University of Oslo Norway)
敬称:特別研究員 特別支援教育哲学修士
部署:インドネシア教育文化省・西ジャワ州教育局(Dinas Pendidikan Jawa Barat)
役職:教職員教育部福祉係長
宗教:イスラム教
出身:バンドン
【質問1】ブディさんの今の仕事内容は何ですか?
インドネシア教育文化省の地方部局である西ジャワ州教育局において、インドネシア西ジャワ州のすべての教職員の指導と福祉向上のための仕事をしています。とくに高等学校、職業高等の教職員に対してインドネシア教育文化省による指導の定着、指導内容の確認、教職員の負荷調査と改善を担当しています。また、海外留学についての奨学金などの情報提供も行っています。
【質問2】今後インドネシアからの日本留学希望者は増えると思いますか?
はい、これから増えると思います。
【質問3】日本留学希望者が増える理由は何ですか?
日本留学を希望する学生が増える理由としては3つあります。
一つめは、日本の教育は素晴らしいからです。幼稚園から高等教育まで日本の教育は、全インドネシアの社会からその素晴らしさは知られています。とくにこの西ジャワ州には、日系企業の事務所や工場が数多くあり、そこで働く日本人は技術レベルが高いばかりでなく、人間的にも素晴らしく、多くのインドネシア人から好かれています。
二つめは、日本はハイクラスな文化を持っているからです。この日本独特の高貴な文化は、インドネシアの学生にとって日本へ留学して学習するというモチベーションを高めてくれます。規律を守り、礼節を重んじる文化は、世界の中でも突出していると感じています。
三つめは、インドネシアにとって必要な知識が学べることです。インドネシアの学生にとって日本への留学では、有益で高度な知識と技術が学べますし、インドネシアに帰国後すぐに役に立つからです。それは、ハイレベルで優秀な帰国した留学生にとって就職先の日系企業が数多くあり、高い収入が見込めるからです。または、彼らは政府機関にとっても非常に有効で、政府が必要とする知識や技術がインドネシアの発展に寄与してくれることになるからです。
【質問4】日本留学への進学指導はどのようにやっていますか?
海外留学も含めて日本留学の進学指導は、基本的に学校単位で校長の指導のもとに行われています。そして、各校長から任命された担当教職員が生徒の進学指導を行っています。西ジャワ州教育局としては、ブカシやバンドンなど13地域の支局を通じ、各学校に対して進学についての情報提供とアドバイスをしています。
【質問5】日本留学を希望する学生が望んでいることは何ですか?
日本留学を希望する学生が一番望んでいることは、やはり奨学金です。日本への留学にはお金がかかるからです。しかし、いわゆる富裕層も増えてきていますので、私費留学生としても日本留学は非常に魅力的ですし、その数も増えていると思います。はっきりとしたデータはありませんが、高校、大学も含めて昨年は300人弱ぐらいの学生が日本留学をしています。
【質問6】西ジャワ州における日本留学への方針はありますか?
西ジャワ州教育局においては、日本留学の方針は2つあります。
まず一つめとして、インドネシア国内における日本留学フェアや奨学金に関する情報を伝え、アドバイスを行っています。残念ながら、海外で開催される留学イベントに参加する予算は組まれていません。しかし、海外の自治体や大学関係者が西ジャワ州に訪問されて、視察や交換留学などの協定関係を構築する場合には、積極的に受け入れています。日本との交換留学などの協定関係が構築できれば、学校間だけなく、学生同士、教授同士との密接な関係が生まれ、個人的なつながりによって日本留学を希望する学生が増えるかと思います。
2つめは、日本留学を含む海外留学の方針として、大学院への奨学金プログラムがあります。この奨学金プログラムは、インドネシア教育基金(LPDP)で、優秀な学生が日本を含む海外留学の機会を持つことを促進する方針です。日本の大学も含まれていて、多くの学生が申し込みます。ここ西ジャワ州には、ボゴール農業大学やインドネシア大学、インドネシア教育大学などの優秀な大学がありますので、日本の大学や大学院への留学がもっと増えてくれることを望んでいます。
【島田】ありがとうございました。
まとめ
日本への視察経験があるインドネシア教育文化省・西ジャワ州教育局のブディ(Budi Hermawan)氏に、インドネシア学生の日本留学についてインタビューしました。
ブディ氏から、西ジャワ州から日本留学が増える理由やインドネシア学生の進路指導、日本留学への方針などについて話してもらいました。奨学金プログラムの情報提供やアドバイスなどを行っていることなどを聞くことが出来ました。
インドネシアから優秀な留学生を受け入れる日本の学校としては、奨学金の充実と交換留学の協定を締結することで、優秀な学校とのつながりができ、インドネシア学生の日本留学の増加につなげることができると思います。
以上、「インドネシア教育文化省ブディ氏インタビュー4【日本留学は今後増える】」でした。